サンロッカーズ・Bリーグ

アルバルク東京のセバスチャン・サイズ 日本での3シーズン目を迎えるタイトル請負人

投稿 2019年8月2日 更新 2021年6月10日

2021年6月10日、Bリーグのアルバルク東京がセバスチャン・サイズ選手の獲得を発表しました。
1994年7月15日生まれの26歳で、205cm、106kgのセンター兼パワーフォワード。2019-20シーズンはサンロッカーズ渋谷、2020-21シーズンは千葉ジェッツでプレーしていた選手で、日本での3年目は東京でプレーすることを選んでいます。

スペインで生まれ育ち、高校生のときにアメリカへ


 スペインのマドリードで生まれ育ったサイズ。お母さんがドミニカ共和国出身のためドミニカ国籍も持っているようです。レアル・マドリードなどの下部組織でバスケをプレーして育ちました。

 スペインの年代別代表にも選ばれていた有望選手で、19歳以下の世界選手権や20歳以下のヨーロッパー選手権に出場した経験も持っています。

 高校時代にアメリカに渡り、カンザス州の高校でプレーしたあとミシシッピ州にあるミシシッピ大学（University of Mississippi）に進学。"Ole Miss"（オールミス）という愛称で知られる南部の名門大学で、スポーツではSECというカンファレンスに所属しています。

この地域はアメフト命という感じで、SECはアメフトでは全米最強を誇るカンファレンス。Ole Missは現在は古豪という感じですが、映画"The Blind Side"（邦題『幸せの隠れ場所』）のモデルとなったマイケル・オアーを輩出するなど、アメフトでは名門の一つです。

 バスケではそこまでのレベルではないOle Missですが、どうやら19歳以下の世界選手権で目をつけたOle Missのアシスタントコーチ（スペイン語も喋れる）がサイズを囲い込んでいたようなんですね。その辺の事情はリンク先の記事をご覧ください。

 👉Ole Miss Basketball: Newest Star Sebastian Saiz Downs the LSU Tigers

Ole Missで4年間活躍、大学の歴史に残る選手に


 Ole Missでは1年生からスターターとして試合に出ると、4年間通算で1000得点、1000リバウンド、100ブロックを達成してOle Missの歴史に残る選手となりました。

NCAAトーナメント進出こそ成し遂げられませんでしたが、NITトーナメント（NCAAトーナメントに惜しくも届かなかったチームが招待される）出場を果たしています。

大学時代を卒業するときにサイズがOle Missのファンに向けてインタビューに答えている動画があったので貼っておきますね。プレーしているところも少し映っています。


母国スペインでプロ入り


 大学卒業後、NBAチームのワークアウトに招待されるなど注目を集めていたようですが、NBAドラフトでは指名を逃しています。

サマーリーグでプレーしたあと、母国スペインに戻ってレアル・マドリードと契約。2シーズンをスペインで過ごしました。ただ、レアル・マドリードは選手の層が厚くて試合に出られないということで、2シーズンとも別のチームにレンタルされています。

 それでもスペイン代表に選ばれてワールドカップ予選に出場しています。ガソル兄弟などを擁して黄金世代と呼ばれた世代が衰えてきているスペインでは、次世代の代表を背負う候補の一人と期待されているみたい。

スペイン代表でのプレーぶりが分かる動画も見つけたので貼っておきます。


サンロッカーズ渋谷に加入してBリーグ入り


2シーズンを母国スペインで過ごした後、突如としてBリーグのサンロッカーズ渋谷と契約しました。

 何があったんでしょうね。レアル・マドリードでは引き続きポジションがない。レンタルでたらい回しにされるのも嫌。それなら試合に出られそうなチームでって感じだったんでしょうか。次のオリンピックが東京ということもあったのか？謎です。

 そのBリーグでは開幕戦で先発出場してサンロッカーズがジェッツに勝つのに貢献するなど大活躍。外国籍3人でローテーションしたこともあって出場試合数は少なかったですが、26試合に先発して平均20.6得点12.5リバウンドという成績を残しました。出場時間が足りないためランキングには出てきませんが、得点では6位、リバウンドでは3位にあたる好成績です。
フリースローもうまい
フリースローもうまい
腕が長い
腕が長い

1年目からオールスター出場を果たすと、ダンクコンテストでいきなり優勝してしまう快挙を達成。オールスターゲームのベストダンク賞も受賞するなど躍動しました。

Bリーグ2年目は千葉で優勝


ルックスとハイモーターっぷりでファンの心を鷲掴みにしてしまったサイズ。今後の活躍も楽しみです。

 …と言いたいところだったのですが、サンロッカーズ渋谷は1年で退団してBリーグでの2年目は千葉ジェッツと契約。平均17.1得点、11.7リバウンドという成績を残して千葉ジェッツのチャンピオンシップ制覇に大きく貢献しました。外国籍に関するレギュレーション変更の影響で数字こそ落ちていますが、リバウンドランキングではジャック・クーリーに次ぐ2位に入っています。



渋谷で天皇杯を制覇したのに続いて千葉ではシーズンチャンピオンを達成したわけです。そして冒頭に書いた通り、日本での3シーズン目はアルバルク東京の一員として迎えることに。ジェッツの発表によると、アルバルクはバイアウト条項を行使して違約金を払ってまでサイズを獲得したそう。それだけサイズが欲しかったということですね。

2020-21シーズンは東地区6位に沈んでプレーオフ進出も逃してしまったアルバルク東京。巻き返すためにタイトル請負人とも言うべき男を獲得しました。サイズは期待に応えてタイトルをもたらすことができるでしょうか。注目したいと思います。まあ、来シーズン優勝するのは渋谷だけどね

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