2019年6月7日、千葉ジェッツがコー・フリッピン(Koh Flippin )選手の獲得を発表しました。
千葉ジェッツに新加入選手、日本国籍を持つPG兼SGのコー・フリッピンと契約基本合意 #Bリーグ https://t.co/rEwdZshKpM— スポナビバスケ (@sn_basketball) 2019年6月7日
190センチ75キロのガードの選手で、カリフォルニア育ちだけど国籍は日本。外国籍選手や帰化選手としてではなく、日本人選手としてBリーグ入りすることになるようです。
まだあまり情報が多くないですが、経歴について調べてみました。
カリフォルニア育ちでUC Riversideに入学
高校卒業までカリフォルニア州のトーランスで育ったようです。日本国籍ということは日本で生まれたんでしょうね。いつからカリフォルニアに暮らしているかは不明です。
大学入学時のインタビューを見ると、プロのライターをやっているシングルマザーのお母さんに育てられたみたい。その動画を貼っておきますね。
トーランスはロサンゼルスの南にある街で、ホンダアメリカの本社があったり、2017年まではトヨタアメリカの本社もあったりして(現在はテキサスに移転)、日本企業も多く、日本人や日系人が多く住んでいる街でもあります。
トーランスにはミツワという日系スーパーがあって、僕もロサンゼルスに住んでいた頃はお世話になりました。トーランスのミツワは規模が大きくて良かったんですよね。フードコートには山頭火や金子半之助なんかもあって。懐かしい。
話を戻すと、そんなトーランスで育ったコー・フリッピンは、そのままロサンゼルス郊外にあるカリフォルニア大学リバーサイド校(UC Riverside)に入学します。
UC Riversideはロサンゼルスから東に2時間ぐらいハイウェイを走ったところにあって、ジョシュアツリー国立公園やパームスプリングスという観光地に行くときに通ります。正直、他にこれといったイメージはない。
スポーツではビッグウェストというカンファレンスに所属しています。カリフォルニア大学とカリフォルニアステート大学から8校が集まり、そこにハワイ大学が参加しています。
西海岸だとPAC12というメジャーカンファレンスがあって、UCLA、UCバークレー、スタンフォード、USC、オレゴンなどの強豪校が集まっています。そこには届かないカリフォルニアの選手達が進学するのがビッグウエストというイメージ。サンロッカーズ渋谷のコナー・クリフォードがビッグウェスト所属のUCアーバイン出身です。
そんなUCリバーサイドに進学したコー・フリッピン。2015年から18年まで3シーズンに渡ってプレーして、計49試合に出場しています。ただ、先発出場は3年間で8試合にとどまり、スターターの地位を掴むことはできませんでした。
ドエイン大学に転校
UC Riversideではポジションを掴むことができなかったコー・フリッピン。大学最終シーズンを前に転校します。
移った先はネブラスカ州にあるドエイン(Doane)大学。NCAAではなく、NAIAという小規模な大学のスポーツチームが集まる連盟に所属している大学で、レベル的にはNCAAから落ちるところ。とはいえアスリートの層の厚いアメリカですからね。このレベルの学校でも奨学金プレーヤーとなるのは狭き門だったりします。
選手の引き抜きを防ぐため、4年制大学間で転校すると1年間プレーできないというルールがあるのですが、学位を取得済みの場合、graduate transferと呼ばれ、すぐにプレーすることが可能になります。コー・フリッピンも転校後すぐにプレーしていますので、このgraduate transferとして転校したのでしょう。3年で卒業できるぐらいちゃんと勉強もしてたということです。
転校直後に書かれた記事を見つけたのでリンクを貼っておきます。
👉Former NCAA Division I players find a home on Doane's basketball team
記事にある通り、レベルの高いNCAAからの転校生として期待されたコー・フリッピン。ドエイン大学では先発の座を掴み、30試合すべてに先発出場しています。
1試合あたり31分出場して13.8得点、5.1リバウンド、3.2アシスト、2.7スティールという成績。3ポインターは成功率25%、フリースロー成功率も七割を切るなど、シュートはあんまりって感じ。でもシュート成功率は45%で、切り込んでレイアップやダンクというプレーを得意にしているようです。
ドエイン大学でのハイライト動画があったので貼っておきます。
所属カンファレンスのHonorable Mentionにも選ばれています。オールカンファレンスには選ばれていないので、シーズン前の期待に応えられたと言えるのかどうかはなんとも言えませんが。
とはいえチームのアシスト王とスティール王にも輝いています。特にスティールは断トツ。ディフェンスでも期待できそうな選手だと思います。
苦労して見つけたスタッツを貼っておきますので、興味があったらご覧ください。ちなみにチームは9勝21敗と残念な成績に終わったようです。
👉Doane (Neb.) Season Statistics
Bリーグでどれだけやれるか
こういう選手がBリーグでどれだけやれるのか楽しみです。
ウォークオンとはいえジョージアテックにいたシェーファー(アルバルク東京)やワシントンステートの主力だったコナー・クリフォード(サンロッカーズ渋谷)の現状を見ると即戦力とはいかなそうだけど、元NBAも珍しくないビッグマンと違ってガードですからね。ハードルは相対的には低いかもしれません。
まだ若い日本国籍保有者ということで、将来の日本代表入りなども期待されているのかもしれませんね。千葉ジェッツがこの選手をどう育てていくのか楽しみです。
…と思っていたら2019年7月のウィリアム・ジョーンズカップで早速日本代表に招集され、日の丸を身につけてプレーしています。W杯予選に出場した選手はほとんど呼ばれておらず、若手中心のB代表のようなメンバーではありますが、注目度の高さを感じます。試合にも出場して良いプレーも見せていたみたい。これからが楽しみな選手ですね。
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本文中に名前が出てくるコナー・クリフォードについても同じように経歴をまとめています。
👉サンロッカーズ渋谷のコナー・クリフォード ワシントンステート大からBリーグ入りした日系ビッグマン
他にもサンロッカーズ渋谷を中心にBリーグに関する記事をいくつか書いています。
👉カテゴリー:サンロッカーズ・Bリーグ
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