2021年6月18日、横浜ビー・コルセアーズがロバート・カーター(Robert Carter)選手の獲得を発表しました。
【選手契約(新規)のお知らせ】
— 三遠ネオフェニックス🐤🔥San-En NEOPHOENIX (@NEO_PHOENIX) June 18, 2021
このたび #三遠ネオフェニックス は #ロバート・カーター 選手と2021-22シーズンの選手契約を締結いたしました🇺🇸🤝🇯🇵
詳細・本人コメント▶https://t.co/mLQP0QUVI8#Bリーグ #RobertCarter pic.twitter.com/KRxn3plGeD
ジョージアテック大学とメリーランド大学で活躍
ジョージア州で生まれ育ったロバート・カーター。高校生のときから注目選手で、同い年の選手達の中で30番目ぐらいという高い評価を得ていました。
同じ州内のジョージアテック大学に進学すると、1年生からスターターに名を連ね、2年間で49試合に先発出場します。平均で二桁得点をあげ、主力として活躍していました。
ところが、2年生の終わりに突如として転校を決意。このときジョージアテックは低迷していたんですよね。この環境では成長できない、NCAAトーナメントに出ることもできないという思いから転校を決意したようです。
転校先としてはメリーランド大学をチョイス。Big10というメジャーカンファレンスに所属している大学で、スポーツチームの愛称は"Terrapins"。
terrapinというのは北米原産の食用亀で、メリーランド州周辺にたくさん生息していることからこの名前になったようです。日本語でいうとキスイガメという品種だとか。
亀はさておき、この選択は結果として正解でした。転校すると1年間は試合に出られない(引き抜きの横行を防ぐため)ルールのため翌シーズンは試合に出られませんでしたが、その間に体脂肪率を18%から6%まで絞り込むなど肉体改造にも成功するとともに、パワー偏重からバランスの取れたプレースタイルに進化を遂げています。
翌シーズンは36試合すべてに先発出場すると、チームはNCAAトーナメントのスイート16まで進出し、カーター自身も所属するBig10カンファレンスのHonorable Mention(ベスト5入りは逃したけど優秀な成績を残した選手が送られる賞)に選ばれています。
ヨーロッパでプロ生活をスタート、日本へ
大学でもう1年プレーする資格のあったカーターでしたが、2016年のNBAドラフトにアーリーエントリーして大学を中退しています。
ドラフトでは惜しくも指名を逃しました。直前のモックドラフトでも名前があがるなど、2巡目で指名されるかも、という評価だったようですが。
👉Former Maryland Terrapin Robert Carter Aims to be a Steal in the Upcoming Draft
ウイングスパン、リバウンド時の嗅覚、faceup 4としての視野の広さなど天性の素質を高く評価される一方、パワー、スピード、ハンドリングスキル、シュートなどで飛び抜けた武器のない選手と評価され、さらにスタミナ不足やコンディショニングの拙劣さが問題視されていたようです。実際、メリーランドでも中心選手でありながら平均出場時間は30分を切っていて、大学でこれはかなり短い。
この記事の一番上に貼ったのがドラフト前のワークアウトの様子を納めたものです。これを見ると良い選手なんですけどね。まあ、NBAというのは甘くない世界ということでしょう。
NBAのサマーリーグでプレーしたあとイタリアのクラブと契約してプロ入りを果たしています。翌シーズンはリトアニアとトルコでプレー。そのあと中国のクラブと契約したものの中国には行かず、4ヶ月後にトルコの別のクラブと契約してプレーしていました。
トルコでプレーしているハイライト動画があったので貼っておきます。
島根スサノオマジックの主力として活躍
トルコから日本にやってきたカーターは島根スサノオマジックの主力として活躍。35試合に先発出場して1試合平均21.2得点(ランキング5位)、10.2リバウンド(ランキング6位)という素晴らしい成績を残しています。1試合あたりのプレータイムも35分を超えていて、大学時代は懸念されていたスタミナの問題もなかった。
スリーの決定率も悪くない感じで(34.0%でリーグ14位)、バランスの良い選手でした。